2008 セ・リーグの展望
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さて、日本プロ野球はパ・リーグが既に開幕2カードを終えましたが、やっと今日からはセ・リーグも開幕します。

戦力の動きを見ても、昨年までの3強3弱の構図に変わりはなさそうだが、甲子園球場と神宮球場の改装や、オリンピック期間に主力選手が抜ける穴埋めなど、波乱の要素は含んだ幕開けとなる。


まず、昨年のリーグ覇者・ジャイアンツは大補強は例年通りも、今年に関しては的確に弱点を行う補強を行っている。それでも中継ぎ陣にはタイガース・ドラゴンズほどの安定感は無く、、正捕手・阿部の穴埋めにも腐心しそう。

日本一軍団のドラゴンズは福留の穴は埋められそうになく、オリンピック期間にセンターラインがゴッソリ抜けるダメージがどれだけ抑えられれるかがカギ。

タイガースは的確な補強を行い、打線・先発陣ともに整備が進んだが、これでどれだけJFKの負担を減らせられるかがカギ。また、オリンピック期間のリリーフ陣のやりくりは苦労しそうで、昨年期待を裏切った先発陣の頑張りが期待される。

ベイスターズはクルーンに変わる守護神が確立できるか。オリンピックで抜けるのは主砲の村田くらいで、大きなダメージは無いだろうが、戦力そのものがどうしても上位と見劣りするだけに、若手の成長に期待せざるを得ないところ。

カープはエースの黒田、主砲の新井といったチームの顔が去った。大竹寛と栗原健太が埋められるかがポイント。オープン戦でベテラン緒方の好調ぶりは好材料だが、こちらも戦力そのものがどうしても上位と見劣りするだけに、若手の成長に期待せざるを得ないところ。オリンピックには選出される選手が見当たらないため、逆にその期間で他チームを叩けるかが上位進出への鍵となりそう。

スワローズは元々見劣りしていた戦力から、グライシンガー・ラミレス・石井一久を放出し、戦力ダウンは否めない。が、将来有望な若手投手は数多く、スピードのある選手もそろっているだけに、新生・神宮球場を味方につけて機動力野球で台風の目になる可能性も秘めている。

希望的観測も含めた私の順位予想はこんな感じ。
1.タイガース
2.ジャイアンツ
3.スワローズ
4.ドラゴンズ
5.ベイスターズ
6.カープ

3強3弱とは言ったが、特にオリンピックでドラゴンズが影響を受けると予想する。なんたってエースに二遊間、リリーフエースまで招集されたら、そこで一気に失速し、オリンピックから主力が戻ってきても流れが変わらない可能性はある。
一方で、リニューアルされた神宮球場を味方につけてオリンピック期間でもスワローズは青木が抜けるくらい。この期間に上位に食い込んでくる可能性も充分ある。

下位2チームは戦力的に厳しいうえ、スワローズのような好材料も無いとみる。

上位2チームは選手層の厚さで、オリンピック期間も乗り切れると見る。ともに正捕手の招集が見込まれるが、2番手捕手とリリーフ陣の差で戦力ダウンが少ないタイガース優位と見る。特にリリーフ陣は藤川と久保田が抜けても、ジャイアンツより数段上でしょう。
日本一奪回を目指す原ジャイアンツの弱点は中継ぎ陣と控え捕手

昨年は5年ぶりのリーグ優勝を果たすも、ドラゴンズとのクライマックスシリーズに3連敗し、日本シリーズ出場の夢が絶たれたジャイアンツ。底力の不足を嘆いた原辰徳監督は「奪回」を再宣言。
オフの大補強は恒例行事だが、今年は単に4番を集める非効率なものではなく、最多勝のグライシンガー、日本最速161キロを誇るクルーン、204安打で打点王のラミレスを獲得すると行った、きっちりと目的意識を持った補強を行い、優勝の最右翼に名乗り出た。北京五輪でエース・上原浩治をはじめ、複数の主力選手が召集されると思われるが、補って余りある戦力というほかはない。

打順は高橋由伸が1番。二岡智宏、小笠原道大がひざの手術明けも開幕に間に合い、2、3番に座る。李スンヨプ、ラミレスの中軸から阿部、谷佳知と続く打線は、まさに“ダブルクリーンアップ”。そして8番には19歳の坂本勇人が、1994年の松井秀喜以来となる10代開幕スタメンを果たそうかという新鮮な話題もある。

一方の投手陣は、右の上原浩治とグライシンガー、左の高橋尚成と内海哲也が4本柱。そして金刃憲人、木佐貫洋、門倉健、野間口貴彦らが控え、先発の層は厚い。
 
しかし弱点は中継ぎだ。昨年のリリーフ防御率は抑えの上原浩治を除くと4.22。西村健太朗、吉武真太郎、豊田清らが崩れずに守護神クルーンまでリードを保てるか。昨年、ジャイアンツは7得点以上の試合を35勝5敗と貯金30を稼いだ。しかし、4−6得点では25勝19敗しかできず、勝率5割6分8厘は12球団中11位とかなり低い。これはそこそこの得点では投手陣が辛抱できず、ゲームを壊してしまう展開が多かったことを表している。

またこの現象は、阿部に続く第二の捕手が育っていない影響もあると見ている。実績のある投手であれば、捕手の力不足を自身でカバーできるが、実績に乏しい若手投手の場合、生かすも殺すも捕手次第。今年はオリンピックで阿部が抜けるのは確実で、それ以外の時期もフルシーズン万全の体調で過ごせる保証も無い。

今季は中継ぎ陣の整備とと第二捕手の育成を重点課題とし、少ないリードでも守り勝つ野球を目指したい。



ドラゴンズは陰りの見えるディフェンス力の引き締めが必要


昨年、下位のカープとスワローズから32勝16敗と大きく貯金を稼いだドラゴンズだが、それ以外の3チームには34勝37敗1分と負け越した。9月にはジャイアンツに2勝4敗と競り負けてシーズン2位。一昨年はホームゲームで先制点を挙げると34勝1敗と驚異の勝率を誇ったが、昨年は同27勝7敗と逆転される試合も増えた。
失策も一昨年の60から69へと増加傾向で、落合政権発足1年目に比べるとキレ味に陰りが見える。落合監督の『これまでの5年間で最高の仕上がり』というコメントもブラフにしか聞こえない。鉄壁の二遊間である荒木雅博、井端弘和を中心に、ディフェンス力の引き締めが必要だ。

打線はクリーンアップの強化策として、和田一浩を獲得。福留の穴埋めという格好にはなるが、和田と福留ではタイプがぜんぜん違う。実質的には福留の穴は森野が埋めることになるだろう。

和田の場合はウッズの後の5番を打つことになる。昨年ウッズは121四球を選んだが、4番を歩かせても和田が控える打線は相手投手にとって脅威だが、主力が右打者に偏った打線は案外与し易いかもしれない。
また、福留と和田を比べた場合、守備力に大きな差があるだけにそこに目をつぶれるか。左打者の堂上(兄)辺りが台頭してくるようだと、落合のスタイルから考えると和田の出る幕は無いかも。

先発は川上憲伸、中田賢一、朝倉健太の右腕3本柱に、左の小笠原孝が続き、残り2枠をベテラン山本昌と若手の吉見一起、チェンらが争う。中田は奪三振177(リーグ2位)、奪三振率9.35(リーグ1位)と三振が取れる投手だが、両リーグワーストの81四球を与えている。特に先頭打者を20回歩かせており、今季は制球難を克服したい。一方、中継ぎは抑えの岩瀬仁紀が万全。走者を背負っての火消しに強かった岡本真也が移籍した穴は、鈴木義広で埋められるだろう。鈴木はイニング途中登板での被打率が1割と極めて低いのが特徴だ。

ドラゴンズは北京五輪で川上、岩瀬、荒木、井端、和田、森野将彦ら主力の多数が抜ける可能性があるだけに、それまでに貯金を稼ぐ戦いが求められる。



初回高打率の新井で1−2番の生還率高めたいタイガース

打線の新戦力は、ヘッドスライディングがトレードマークの平野恵一と大砲の新井貴浩。特に平野は長年セカンドを争ってきた藤本・関本からポジションを奪い取りそうな勢いで、タイガースにとっては浜中の代償で平野が獲れたのは非常に大きい。

1−2番の赤星憲広、平野の生還率(出塁後に得点する割合)を4割に乗せるには、新井の初回打率3割5分5厘は大きな武器だ。しかし、カギは5番の今岡誠。ここ2年で打率2割5分6厘の53打点。オープン戦打率は1割7厘と、不安を残したまま開幕を迎える。が、今岡が不調でも新井をサードに回し、オープン戦で好調をアピールしてきた葛城をファーストに据えるというオーダーも考えられる。左投手の場合は葛城ではなく関本でも良いだろう。
昨年実績を残した林の出遅れは痛いのだが、とにかく野手陣は他チームならレギュラーを充分張れるような陣容がそろっており、林の出遅れを感じさせないほど層が厚い。

昨年、タイガースの先発陣は平均投球回が4.96と5回に満たず、45勝59敗と大きく負け越した。今季は安藤優也、福原忍が復調し、ボーグルソン、杉山直久に、新加入のアッチソンと金村暁、左腕はベテラン下柳剛、若手有望株の岩田稔と頭数がそろう。リリーフ陣は、昨年JFK(ウィリアムス、藤川球児、久保田智之)が防御率1.51と盤石ぶりを見せつけたが、久保田が日本新記録の90試合に登板するなど、蓄積疲労が心配。今季は先発陣が踏ん張り、JFKの登板数を抑えることができれば、さらに手ごわさが増すだろう。新戦力では、平野とともにオリックスからトレード移籍し、開幕一軍入りを勝ち取った阿部健太の成長も楽しみだ。



三浦、寺原で勝てないジャイアンツ戦が課題のベイスターズ


初の本塁打王で101打点を挙げた村田修一は、左腕から打率3割5分5厘も、対戦の多い右腕からは2割5分9厘と打てていない。右腕からの本塁打率を高め、目指すは40本塁打。また24本塁打、85打点の吉村裕基は、打者有利のカウントでの本塁打が少なく、ことしは積極的に打って30本を狙いたい。またベイスターズの1−2番は昨年、1試合で0.94得点と1点を取れなかった。仁志敏久と石井琢朗は出塁率、生還率ともに3割5分以上を目標にしたい。2人の課題は、盗塁を絡めてワンヒットで得点できる機動力。それを生かせる野中信吾や石川雄洋らが、世代交代としてレギュラーを奪うことができるか。

昨年のベイスターズはジャイアンツに8勝16敗。相性のいい土肥義弘(昨年ジャイアンツ戦2勝)はいるものの、エース三浦大輔と寺原隼人の2人で0勝6敗という成績は改善したい。8本塁打を打たれた高橋由伸、打率4割以上の谷佳知を抑えることが課題だ。初モノ左腕に弱いとされるジャイアンツには、佐藤祥万、田中健二朗の両新人をぶつけるのも面白い。先発ローテーションは三浦が開幕一軍を外れたため、寺原を軸に、新外国人のウッド、ことし45歳の工藤公康と土肥の両左腕が続く。2年目の高崎健太郎や新人の小林太志、桑原謙太朗にも期待がかかる。またクルーンが移籍し、新守護神のヒューズが大役を担えるかは今季の大きなポイント。昨年は救援陣がイニング先頭四球から崩れるケースが目立ったが、入来祐作や小山田保裕のベテラン移籍組が改革していきたい。


カープはエースと4番の穴埋めを大竹、栗原に期待


エース・黒田博樹と4番・新井が移籍。12勝と102打点の穴を、大竹寛と栗原健太が埋められるかがポイント。打線は、昨年2割5分4厘と低かった1−2番の打率を上げたい。赤松真人、天谷宗一郎、梵英心らに期待がかかる。ここが機能すると、アレックス、栗原、シーボルらで固める中軸が生きてくるだろう。4番の栗原は、昨年2ストライクから仕留めた本塁打が10本と多いが、追い込まれる前の一発を増やせば40本塁打を狙える。また緒方孝市、石原慶幸の先頭出塁率が3割5分以上であることから、下位出塁から得点するパターンも課題のひとつ。前田智徳、嶋重宣を含めても、昨年のカープは3割打者が栗原ひとり。打線全体のレベルアップが求められる。

カープは昨年先発、救援ともに防御率4点台。相手クリーンアップに許した本塁打94はリーグワースト。6−8番にも打率2割8分6厘と良く打たれ、下位打線から224失点しているのも課題。大竹、ルイス、前田健太らを軸にした先発陣は、下位をしっかり打ち取り、上位打線の前に走者をためない工夫が望まれる。大竹は昨年、ジャイアンツ戦(0勝3敗、防御率13.50)を除けば、セ・リーグ各チームを防御率2点台以下に抑えている。ジャイアンツには高橋由、小笠原、李ら左打者に5割を打たれたが、これを改善すればタイトル争いにも参戦できるだろう。また、守護神の永川勝浩が不調でファーム落ちの間、代役のコズロースキーがどこまで能力を発揮するか注目だ。

なお、ブラウン監督は審判への派手な抗議で有名だが、これまで5度の退場歴も、その試合でチームは5勝という面白いデータもある。今季もその独特のパフォーマンスを披露し、チームを鼓舞する場面が訪れるのか。


機動力野球で3位以内を目指す高田ヤクルト


オープン戦は12球団最多の19盗塁。高田繁新監督の下、昨年の最下位から機動力野球で3位以内を目指す。改修された神宮球場は、長くなった内野の人工芝が打球の勢いを殺し、内野安打を稼ぎやすい。1番に入る俊足の川島慶三は、オープン戦の打率が3割8分9厘と好成績で、2番の田中浩康は昨年リーグ最多の51犠打。1−2番の機動力で得点圏に走者を進めて、首位打者の青木宣親、リグス、ガイエルのクリーンアップで得点を重ねたい。昨年、両外国人の得点圏打率は2割2分1厘と極めて勝負弱かったが、今季は奮起が期待される。また、青木は北京五輪で抜けた場合、200安打は難しいが、2ストライク後の打率3割1分7厘を生かして、戦後日米初の打率4割に挑戦してほしいものだ。
投手陣は昨年、初回の失点が115と両リーグワーストで、3回までにリードされると8勝52敗と極端に弱かった。昨年、韓国プロ野球で22勝を挙げたリオス、石川雅規、館山昌平の3本柱に、新人の加藤幹典、増渕竜義、村中恭兵と大きく入れ替わった先発ローテは、立ち上がりが重要だ。後ろは150キロの豪腕・五十嵐亮太が復活し、韓国のセーブ王・林昌勇にも期待が高まる。注目を集めた高卒ルーキーの由規は開幕2軍スタートとなったが、制球を磨いて1軍へ戻ってきたい。
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author:キリ, category:プロ野球−セ・リーグ, 13:26
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